ひだの春夏秋冬
ひだ暮らしの一年
季節ごとに表情を変える山々と清らかな川。大自然に抱かれた飛騨の里には、みずみずしい田畑と歴史ある古い町並みが広がり、一年を通してさまざまな祭りや神事で賑わいます。目覚めの春からはじまって、野山が明るく輝く夏、茜色に染まる豊穣の秋、静かな眠りにつく冬まで、日本の原風景が今も残る飛騨市の暮らしを、絵巻物を広げるように見渡してみよう。
【春】きらびやかな祭の季節
〈お花見スポット〉
春の飛騨市は花の名所づくし。黄色い花が可憐なフクジュソウは3月下旬から4月中旬が見頃。河合町の「上ケ島地区」がおすすめです。サクラであれば4月上旬から5月上旬までが見頃で、「真宗寺」「御所桜」「西光寺」「慈眼寺」「山田川」「神岡城」が名所。
4月中旬から5月上旬には紫色のカタクリが見頃になる。「種蔵」「まんが王国」がおすすめだ。4月下旬から5月上旬はミズバショウが咲くので、「池ケ原湿原」へ出かけてみよう。
【夏】自然のなかで過ごす夏休み
力強い太陽の下、水田で田植えがはじまり、やがて畑でトマトやキュウリ、ホウレンソウといった野菜を見かけるようになったら、夏の到来。輝く清流で泳ぎ、原生林を歩きまわれるまぶしい季節。昼は、暑さが極まれば瀬戸川の水をすくって打ち水を。お盆の時期の夜は、各所で花火大会が行われ、美しい花火が空を彩ります。ユニークな夏祭りも数多く、たとえば神岡町吉田にある常蓮寺では300年前から続く聖徳太子ゆかりの踊りが今も踊られています。
〈涼感スポット〉
標高1000mにある「山之村牧場」や「山之村キャンプ場」、水辺を満喫できる「池ケ原湿原」や「なかんじょ川」が飛騨市きっての涼感スポット。
【秋】保存食を作って冬支度
〈紅葉スポット〉
飛騨市で紅葉を堪能するなら、まずは古川の市街地の飛騨の匠文化館の隣に立つ福全寺跡の大イチョウへ。町中から離れたところでおすすめなのが、神岡町にあるモミジやカエデ約120本が色づく藤波八丁遊歩道。清流・高原川沿いにある全長約500mの遊歩道を歩きながら、紅葉を楽しみたい。ブナの原生林が残る天生県立自然公園も、紅葉を楽しむのにおすすめ。ブナ、ナナカマド、カエデ、ウルシなどが色づく。10月下旬〜11月上旬が紅葉のよい頃合い。