秋の天生県立自然公園でハイキング!飛騨の大自然を満喫
岐阜県飛騨市にある自然の宝庫「天生(あもう)県立自然公園」。雄大な自然を体感できるのはもちろん、初心者向けのハイキングコースから山頂を目指すトレッキングコースまで、体力や経験に合わせてコースを選べるのも魅力です。
今回は「カツラ門」で折り返す、往復3時間半の秋の山歩きを体験してきました。
天生峠駐車場で入園前の準備
「天生県立自然公園」は、岐阜県北部の飛騨市河合町と大野郡白川村の境にある「天生峠」を中心とした自然公園です。冬季は雪に閉ざされますが、6月上旬から10月下旬頃まで、四季折々の大自然を満喫することができます。
入口となる天生峠駐車場までは、飛騨古川駅から車で約50分。カーブが多い山道ですので、時間に余裕をもって向かいましょう。
公園内に入るとトイレがありませんので(緊急時の携帯トイレのみ)、必ず駐車場のトイレで済ませてから入園してください。入園の準備ができたらいざ出発!天生の魅力をより知るために、ガイドの牛丸洋子さんに案内していただきました。
※ガイドプランは事前予約が必要です。
人にも森にも優しい環境づくり
森の中にはあちこちに案内板が設置されており、初心者でも迷わず安心して進めます。また、遊歩道がしっかりと整備されていて、階段の段差も小さく、快適に歩くことができます。スニーカーでも大丈夫ですが、アップダウンがあるので履きなれた靴を選びましょう。
パトロール員さんが巡回していたり、随所に森を守るための工夫がされていたりと、地元の人たちの森への愛情が伝わってきます。
絶景!北アルプスを一望
紅葉のトンネルのような木々の中を進んでいると、急に視界が開けて、目の前に絶景が広がりました!北アルプスの山々がくっきりと見えて、言葉にならない美しさ。手前の赤く染まった山とのコラボレーションも素晴らしいです。
晴れた日はもちろんですが、霧が立ち込める日も趣のある景色になるのだとか。写真だけではなく、ぜひ実際に見に行って欲しい光景です。
貴重な植物が残る天生湿原
登山口から歩き始めて約40分、「天生湿原」に到着しました。ここは県の天然記念物に指定されている高層湿原で、貴重な植物が大切に守られています。シーズン中は、ニホンジカやイノシシ、クマなどが植物を食べないように湿原を電気柵で囲っているため、人間はゲートを通って中に入ります。
雪解け時期にミズバショウが一面に咲く光景が有名ですが、初夏のニッコウキスゲなど、春から初秋まで様々な草花が楽しめます。紅葉シーズンの今は、赤や黄色に色づく草木と山々を見渡すことができます。
また、湿原の中央には匠屋敷とベンチがあります。ベンチに座って休んでいると、パトロール員さんが飛騨の匠の伝説を教えてくださいました。
カラ谷分岐から深い森の中へ
天生湿原を抜けて「カラ谷分岐」が近くなると、ふわりと甘い香りが漂ってきます。これはカツラの香りで、秋になると匂いが強くなるそうです。
カラ谷分岐にある「カツラの巨木」は縦にも横にも大きく、スマートフォンで撮影しても画面に収まり切らないほど。力強い枝ぶりから木のパワーを感じます。
なお、カラ谷分岐のそばには携帯トイレ用のテントブースが設置されています(有料)。中に使い方の説明が書いてありますので、緊急時にはこちらを利用しましょう。
いよいよ目的地のカツラ門に向けて、樹々が生い茂る深い森の中へ入っていきます。
神秘的な雰囲気のカツラ門
カラ谷分岐から歩くこと約30分、ついに「カツラ門」に到着しました!
5本のカツラの巨木がそびえ立つ光景は神秘的で迫力があり、他の場所とは少し異なる雰囲気です。葉はほとんど落ちていましたが、静かでどっしりとした様子から、全てを受け入れてくれるような木の温かさが伝わってきました。
たくさん写真を撮った後は食事休憩。巨木群に見守られながら、クロモジのお茶と軽食をいただきました。鳥のさえずりや木々の揺れる音に癒され、自然のエネルギーをたっぷりもらって帰路につきます。
まさに自然の宝庫!巨木や植物など見どころ満載
ガイドさんに天生の森について色々と教えてもらいながら、帰り道も楽しく歩きました。木の種類によって異なる紅葉のグラデーションに、かわいらしい植物、見慣れないキノコなど、まさに自然の宝庫!上も下も、360度見どころだらけです。
春から初秋にかけては次々と多種多彩な花が咲き誇り、野鳥たちとの出会いも楽しめるそうです。季節によって全く異なる表情を見せる天生の森は、何度も訪れたくなる魅力がつまっていました。
間もなく冬の長い眠りにつく天生県立自然公園。来春、雪解けの時期に再訪するのが楽しみです。