天空の隠れ里「山之村」で自然もグルメも楽しもう!
岐阜県飛騨市の「山之村(やまのむら)」という地域をご存知でしょうか?山之村は標高約1000mにある7つの集落の総称で、「地図に名前のない、天空の隠れ里」として親しまれています。
北アルプスなどの大自然に囲まれ、四季の移り変わりを肌で感じられるエリアです。 登山やキャンプ、動物との触れ合い、おいしいグルメなど、子どもから大人まで楽しめるスポットも充実!日本の原風景が残る山之村の魅力をご紹介します。
周回コースが誕生した「天蓋山」
気軽に日帰り登山ができる山として人気の「天蓋山(てんがいさん)」。2023年に新たな登山道「YAMAP新道」がオープンし、改めて注目を集めています。 これまでは「山之村キャンプ場」の登山口から登って山頂で折り返すコースのみでしたが、YAMAP新道ができたことにより、往路と復路が異なる周回コースが誕生しました。ぐるっと一周すると約9km・4時間40分のコースです。
今回は周回せずにYAMAP新道を体験してきました。新しい登山口は「奥飛騨山之村牧場」の奥。駐車場に車を停めたら登山届を記入し、敷地内へ進みましょう。牧場の動物たちに癒されながら10分ほど歩くと登山口に到着します。
-
気軽に登山、眺めは最高!
地域の想いが詰まった「YAMAP新道」
YAMAP新道は、山之村の活気を取り戻したい!と願う地元ボランティアの方々と飛騨市、そして登山アプリ「YAMAP」が協力し合って整備した登山道です。多くの人の想いが詰まった道を一歩ずつ踏みしめて歩きました。
登山口から山へ入ると、序盤は緩やかな坂道が続きます。杉や白樺、朴の木、クロモジなど多様な木々が生い茂る道はまるで緑のトンネルのよう。美しい木漏れ日と鳥のさえずりが温かく迎えてくれます。 白樺階段からは本格的な登りとなり、所々に急坂が現れます。急斜面にはロープが設置されているので、しっかり握って足を滑らせないように進みましょう。トレッキングポールを使うと足腰への負担が少なく登れます。
展望台「ヤマップ平」と山頂からの絶景パノラマ
登山開始から約1時間半。そろそろ休みたいかも、と思ったタイミングで目の前が開けて「ヤマップ平」に到着しました。
ヤマップ平はYAMAP新道と一緒に整備された新しい展望台で、山之村の小中学生が作ってくれた看板と、登山者への応援メッセージが設置されています。 白樺の椅子に座り、北アルプスの山々を眺めて小休憩。体力に自信のない方は、ヤマップ平をゴールに設定して、ここで折り返すお手軽コースもおすすめです。
再び登り始め、ブナの原生林などいくつかのスポットを越えながら上を目指します。そしてヤマップ平から約45分、ついに天蓋山に登頂!山頂には北アルプスの名峰がずらりと並ぶ絶景パノラマが広がっていました。疲れが吹き飛ぶほどの美しい眺望に大満足。達成感に包まれながら下山しました。
「奥飛騨山之村牧場」で動物とふれあおう
山之村の観光スポットといえば、天空の牧場「奥飛騨山之村牧場」は外せません。日本では数少ないジャージー牛のほか、ポニー、ヤギ、ウサギ、飛騨地鶏が飼育されており、動物たちとのふれあいが楽しめます。
牛舎を見学しに行くと、クリっとした目のジャージー牛たちがくつろいでいました。牛の中では小柄な品種ですが、間近で見ると息遣いが聞こえて迫力があります。優しい顔つきから、大切に育てられていることが伝わってきました。
乗馬体験も受け付けていて、スタッフさんが手綱を引くポニーに乗ることができます。また、一人で乗ることを目指す乗馬レッスンも開催中(要事前予約)。レベルアップしたい方は挑戦してみてはいかがでしょうか。
牧場の工房で作られる人気グルメ
山之村牧場では、敷地内の工房で製造した乳製品や肉製品などのグルメを味わえます。 ジャージー牛のミルクは乳脂肪率が高くコクがあり、乳加工品を作るのに適しているのが特徴。中でも、搾りたてジャージー乳を100%使用したソフトクリームは自慢の一品です。ぜひご賞味ください。
自家製ソーセージのバイキングも人気です。ソーセージ6種に加えて、ジャージー牛乳、季節の野菜などが食べ放題!屋根付きテラス席は雨天でも安心で、ワンちゃんと一緒に過ごすこともできます。
特産品が揃うお土産コーナーへ寄るのも忘れずに。自家製商品のほか、山之村産のそば粉を加工した乾麺「山之村そば」、厳しい冬の寒さが作り上げる「奥飛騨山之村寒干し大根」など、山之村ならではの商品を購入できます。
-
標高1000m!雄大な北アルプス山麓の牧場
「りょうし食堂」のジビエ料理を堪能
現役の猟師さんが経営する「りょうし食堂」では、おいしいジビエ料理がリーズナブルに楽しめます。店内には色々な動物の骨が飾られていて本格的な雰囲気。地元の人や釣り人、登山客が集うお店です。
もちろんジビエの処理は完璧で、旨味たっぷりの柔らかいお肉は絶品! 看板メニューのジビエカレー(この日は熊カレー)のほか、猪汁・ミニ熊カレー・山之村産の卵・小鉢などが付く、卵かけごはんセットもおすすめです。
テイクアウトできる焼き立てパンの販売もあります。 晴れた日はテラス席の利用も可能。緑を眺めながらゆったり贅沢な時間を過ごすことができます。
-
猟師が経営する食堂
手打ちそばが復活「夕顔の駅食堂」
「夕顔の駅食堂」は山之村キャンプ場と共に1年間休業していましたが、地元の人たちの願いが叶い、2024年に再オープンしました。山之村キャンプ場の管理棟も兼ねており、キャンプ関連のことはこちらで受け付けています。
8月からは手打ちそばの提供も開始予定。山之村産のそば粉を使った二八そばは、コシが強くつゆとの相性が抜群。ここでしか味わえない、山之村そばの風味やのど越しをお楽しみください。
夕顔の駅食堂では、そば打ち体験も受け付けています。ファミリーやグループの思い出作りにいかがでしょうか。
-
手打ち蕎麦体験もできます
「山之村キャンプ場」に泊まって自然を満喫
日常の喧騒から離れ、大自然にふれながら静かに過ごせる「山之村キャンプ場」。標高が高いため夏でも涼しく、川遊びや焚き火、夜の星空観賞など自然を満喫するのにぴったり。
場内にはYAMAP新道とは別ルートの天蓋山への登山口があり、トレッキングも楽しめます。 広々としたテントサイトに加えて、別荘のようなコテージ、愛犬・愛猫と泊まれるバンガローがあり、人数や目的に合わせて泊まる場所を選べるのも嬉しいポイント。温水炊事場とシャワールームも完備しています。 キ
ャンプ用品を持っていない方のために、テント一式セットのレンタルも。設営の仕方もサポートしてくれるので安心です。
テントサウナが登場!非日常体験でリフレッシュ
山之村キャンプ場には、新たにテントサウナが登場しました。自然に囲まれながらのサウナはまさに非日常体験!サウナ後に沢へ飛び込む爽快感はたまりません。 基本プランには椅子とセルフロウリュセットが付いており、オプションでサウナポンチョやサウナハットを購入することもできます。
なお、テントサウナは宿泊者以外でも利用可能です。キャンプ場でととのう特別な体験でリフレッシュしませんか?料金等の詳細は公式サイトをご覧ください。
-
日本の里100選山之村。標高1,000mの森と谷川に囲まれた静かなキャンプ場です。